ユーラシアグループが発表した「2025年の世界の10大リスク」を徹底解説

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今回は、ユーラシアグループが発表した「2025年 世界10大リスク」を基に、世界が直面している危機と、その背景にある複雑な要因を分かりやすく解説していきます。

特に、トランプ大統領の再来が世界にどのような影響を与えるのか、そして、耳慣れない「Gゼロ」という言葉が意味するものとは一体何なのか、深掘りしていきましょう。

ユーラシアグループとは?

まず、このリスクを分析しているユーラシアグループについて簡単に説明します。

ユーラシアグループは、もともと東西冷戦時代にソ連や東ヨーロッパの情勢を専門に調査していた会社です。

冷戦終結後は、各国の政治・経済リスクを分析し、企業向けにコンサルティングサービスを提供しています。

彼らは、その専門性と分析力を活かし、毎年世界の重大なリスクを発表しており、その内容は世界中で注目されています。

2025年 世界10大リスク:混迷を深める世界情勢

それでは、ユーラシア・グループが発表した「2025年 世界10大リスク」を見ていきましょう。

1. 深まるGゼロ

まず、最大の懸念事項として挙げられているのが「Gゼロ」という状態です。Gゼロとは、G7などのように世界をリードする国が存在しない、つまり、国際的な秩序を維持するリーダーシップが不在の状態を指します。

これまで、アメリカは世界の警察官として、国際的な紛争や危機に対して一定の役割を果たしてきました。しかし、トランプ大統領の登場以降、「アメリカ・ファースト」を掲げ、自国の利益を最優先とする姿勢が強まっています。ヨーロッパも、国内の政治不安や経済の低迷により、国際的なリーダーシップを発揮できる状況にはありません。

このような状況下では、強い国の言いなりにならざるを得ない、まさに「ジャングル」のような状態が生まれる可能性があります。国際的なルールや秩序が機能しなくなり、各国が自国の利益のみを追求するようになると、世界はますます不安定になるでしょう。

2. トランプの支配

2番目のリスクとして挙げられているのが、トランプ大統領による「支配」です。トランプ氏は、選挙中に様々な過激な発言を繰り返しており、その政治手法は、アメリカ国内の民主主義体制を揺るがす可能性を指摘されています。

例えば、FBI長官に忠誠を誓う人物を任命したり、自身の意に沿わない人物を排除したりするような動きがみられると、民主主義の根幹が脅かされることになります。また、トランプ氏が国際的な協調を軽視し、自国第一主義を貫くことで、世界的な混乱を招くリスクも高まります。

3. トランプノミクス

トランプノミクスとは、トランプ氏の経済政策を指します。トランプ氏は、関税の引き上げや規制緩和などを主張していますが、その具体的な政策が世界経済にどのような影響を与えるかは不透明です。

特に、関税の引き上げは、貿易戦争を引き起こし、世界経済の成長を阻害する可能性があります。

また、ドル高が進めば、日本の円安が深刻化し、ドル安になれば、日本からの輸出が難しくなるなど、トランプ氏の経済政策は、日本の経済にも大きな影響を与える可能性があります。

4. 米中対立の決裂

トランプ氏が中国に対して60%の関税をかけると発言したことからもわかるように、米中対立が激化するリスクは非常に高まっています。関税引き上げは、中国製品のアメリカへの輸出を困難にし、中国経済に打撃を与えるだけでなく、中国に多くのものを輸出している日本経済にも悪影響を及ぼします。

ただ、トランプ氏の行動は予測不可能なので、どこまで中国を批判するのか、あるいは、ディールによって妥協するのかは不明です。しかし、米中対立の激化は、世界経済の混乱を招くことは間違いないでしょう。

5. ならず者国家のロシア

ロシアによるウクライナ侵攻は、依然として続いており、ロシアの国際的な行動が制御不能になるリスクが指摘されています。トランプ氏が停戦を主張する可能性もありますが、その場合、ウクライナの領土の一部がロシアに占領されたままになる可能性があります。

ロシアは、国際法を無視し、力で現状を変えようとしており、これが国際秩序を揺るがす原因になっています。

6. 追い詰められたイラン

イランは、イスラエルとの対立を深めており、その影響で、国内のハマスやヒズボラなどの組織を支援してきましたが、イスラエルの攻撃によって壊滅的な状況に追い込まれています。イランは、その窮地を脱するため、核開発を加速させる可能性があります。

ネタニヤフ首相は、イランの核開発を阻止するために、イランへの攻撃も辞さない構えを見せており、イランとイスラエルの全面戦争のリスクも高まっています。トランプ氏は、これまで歴代のアメリカ大統領が制止してきたイラン攻撃を容認する可能性があり、中東情勢はさらに不安定化するでしょう。

7. 世界経済への負の押し付け

トランプ氏の関税引き上げは、各国による報復関税を招き、世界貿易をストップさせてしまう可能性があります。WTOのルールでは、不当な関税をかけられた場合、報復として同等の関税をかけることが認められています。

これにより、世界中で貿易戦争が勃発し、世界経済全体に大きな打撃を与えるリスクがあります。

8. 制御不能なAI

AIの発展は、私たちの生活を大きく変える可能性を秘めていますが、同時に、倫理的な問題や悪用されるリスクも存在します。

特に、無人兵器のように、AIが人間の判断なしに敵味方を判断し、攻撃を行うことは、非常に危険です。EUを中心にAIの規制を求める動きがありますが、トランプ氏に近いIT業界の大物たちは、AI規制に反対しています。このまま規制が進まなければ、AIが暴走するリスクが高まるでしょう。

9. 統治なき領域の拡大

アメリカが世界の警察官としての役割を放棄しつつある中で、アフリカでは、かつて治安維持に当たっていたフランス軍が撤退を進めています。その結果、内戦や紛争を仲裁する組織がないまま、無秩序な状態が広がっています。

力の空白状態は、紛争の拡大を招き、新たな混乱を生み出す可能性があります。

10. アメリカとメキシコの対立

トランプ氏は、メキシコからの輸入品に25%の関税をかけると発言しています。メキシコは、多くの日本企業が工場を構え、アメリカへの輸出拠点として重要な役割を果たしています。

関税引き上げは、日本企業を含む多くの企業に大きな打撃を与える可能性があります。トランプ氏の狙いは、不法移民や麻薬の流入を阻止することにあるようですが、それがかえって経済的な混乱を招くリスクも考えられます。

まとめ

今回の記事では、ユーラシアグループが発表した「2025年 世界10大リスク」を解説しました。

特に、トランプ大統領の再来とGゼロという状況が、世界を混乱に陥れる可能性が高いことが理解できたかと思います。

これらのリスクに立ち向かうためには、まずは、世界で何が起こっているのかを正確に知ることが大切です。そして、自分たちにできることは何かを考え、行動することが重要です。

今回の記事が、少しでも皆さんの世界情勢への関心を高めるきっかけとなれば幸いです。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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