最近、ニュースやテレビなどで「格差」という言葉をちょくちょく聞きます。 資産バブルで持てる者はさらに富み、インフレで日々の生活コストに追われる僕たちのような一般層との溝は、深まるばかりです。こうした社会の不安定化を背景に、今、世界各国で「左派政党」が支持を広げ、経済政策が「左」へと大きく舵を切っています。
富裕層に厳しく、弱者に優しく。一見すると正義に見えるこの「経済の左傾化」ですが、実際にその政策を推し進めている国々では、今、驚くべき事態が起きています。
今回は、イギリスやノルウェーといった実例を引き合いに、もし世界がこのまま左傾化し続けたら、自分たちの未来はどうなってしまうのか。そのリアルな姿を深掘りしていきたいと思います。

イギリス:ビートルズも逃げ出した「超・増税」の再来
まず注目すべきはイギリスです。 2024年、イギリスでは労働党が政権を握り、富裕層に対する課税強化を鮮明に打ち出しました。高額不動産への課税や、企業が負担する社会保険料の引き上げなど、じわじわと経営者や資産家の首を絞める政策が進んでいます。
これ、実はイギリスにとっては「デジャヴ(既視感)」なんですね。 かつて1960年代から70年代にかけても、イギリスは強烈な左派政策をとっていました。当時は所得税の最高税率が「95%」にまで達したと言われています。あのビートルズが「タックスマン(Taxman)」という曲で皮肉り、国外へ住居を移さざるを得なかったのは有名な話です。
「100万円稼いでも、手元に5万円しか残らない」 そんな状況になれば、誰だってその場から逃げ出したくなるのは当然です。
実際、2024年だけで1万6,500人もの富裕層がイギリスを離れるという予測も出ています。2029年の次期総選挙まで、この「富裕層いじめ」とも取れる政策が続くと見られており、イギリスのブランド力は今、大きな転換点を迎えています。
ノルウェー:逃げ場なしの「富裕税」が招くジレンマ
イギリス以上に踏み込んだ策を講じているのがノルウェーです。 2021年から左派連合が政権を維持しているこの国では、単なる所得への課税ではなく、「純資産」そのものに課税する「富裕税」が導入されています。
これがなかなかに強烈です。 日本円にして約2,700万円以上の純資産(負債を引いた残り)を持っているだけで、毎年その資産の1%前後を税金として納めなければなりません。
- 居住用住宅も対象(控除はあるものの)
- 海外に持っている資産も対象
- 逃げようとして出国するなら、含み益に約38%課税
たとえるなら、「バケツに水を溜めているのに、底に穴を開けて毎年一定量を抜き取られる」ようなものです。溜めれば溜めるほど抜き取られる量が増える。これでは、資産を築こうとする意欲が削がれても無理はありません。
結果として、ノルウェーの長者番付上位400人のうち、すでに4分の1にあたる105人が、海外へ移住するか、資産を国外の親族へ移したとされています。

富裕層が消えても「増収」?歪んだ成功体験
ここで面白い(あるいは恐ろしい)データがあります。 富裕層が大量に流出しているにもかかわらず、ノルウェー政府の「富裕税による税収」自体は増えているというのです。
なぜか? それは、残っている資産家への税率を上げたり、資産価値そのものがインフレなどで膨らんでいるからです。政府からすれば「ほら、増税しても税収は増えたじゃないか。このまま続けよう」という理屈になります。
しかし、経済全体を見れば話は別です。 実質GDP成長率は、2023年がわずか+0.1%。その後も1〜2%程度と、お世辞にも「活気がある」とは言えない状況が続いています。
結局、増税で足りない分をどう補っているかというと、ノルウェーが世界に誇る「世界最大の政府系ファンド」からの取り崩しです。 石油で稼いだ「将来の貯金」を今、左派政策のバラマキや穴埋めに使っている。これは、「親が子供のために貯めた教育資金を、今の生活費が足りないからと使い込んでいる」ような危うさを感じずにはいられません。
スイスが示した「不都合な真実」
一方で、世界がすべて「左」に染まったわけではありません。 象徴的だったのが、2024年11月にスイスで行われた国民投票です。
「100億円を超える相続に対し、50%の税金をかける」という法案が議論されました。格差是正の観点からは賛成が多そうに思えますが、結果は反対85%という圧倒的な否決。
スイスの人々は理解していたのです。 「富裕層を叩けば、彼らは去り、スイスが長年築いてきた『資産運用の聖地』としてのブランドが崩壊する。そうなれば、巡り巡って自分たちの経済も壊れる」ということを。
自分たちの生活を守るためには、時には「持てる者」を優遇し、彼らの資金が国内で回るようにした方が合理的である。スイスは、冷徹なまでに現実的な選択をしたと言えます。

自分たちの未来はどうなる?資産バブルが生んだ「ツケ」
そもそも、なぜここまで世界中で格差が叫ばれ、左傾化が進んだのか。 その引き金となったのは、コロナ禍の後の「資産バブル」です。
あの時、世界中の政府と中央銀行が市場にお金をジャブジャブに流しました。その結果、株や不動産を持つ不裕層は笑いが止まらないほど資産を増やし、一方で、現金を稼ぐだけの自分たち一般層は、その後のインフレ(物価高)に直撃されました。
「火事を消すために大量に撒いた水が、結果として一部の豪華客船だけを浮かせ、泥舟に乗った人たちを沈めてしまった」ような状態です。
この不公平感こそが、今の左傾化のエネルギー源です。
自分の考え:格差是正か、それとも共倒れか
自分は、格差を放置していいとは思いません。社会があまりに不平等になれば、治安が悪化し、最終的には経済そのものが機能しなくなります。
しかし、イギリスやノルウェーがやっているような「富裕層の吊し上げ」に近い増税は、非常に危うい。 今の時代、お金には羽が生えています。デジタル一つで国境を越え、有利な場所へと移動します。無理に縛り付けようとすれば、ノルウェーのように投資が手控えられ、新しいビジネス(ベンチャー企業)が育たない土壌になってしまいます。
自分たちが目指すべきは、「富裕層を追い出すこと」ではなく、「彼らの富をいかにして国内の再投資や、次の成長産業に回させるか」という仕組みづくりではないでしょうか。
左傾化による「大きな政府」は、短期的には自分たちを助けてくれるかもしれません。しかし、その裏で国力が削がれ、将来の貯金(ファンド)を食いつぶしているのだとしたら、それは子供たちの世代に巨大なツケを回しているのと同じです。

結論:2030年に向けて、自分たちができること
世界経済の左傾化は、一過性のブームではなく、格差が生んだ「必然」の流れです。 今後も不裕層への課税強化や、富の再分配を求める声は止まないでしょう。
しかし、自分たちは「増税してスッキリした」で終わってはいけません。 その税金がどう使われ、その結果として自国の産業がどう変わるのか。あるいは、大切な投資資金が国外へ逃げていないか。それを監視する目を持つ必要があります。
これからの世界、経済のルールは刻一刻と変わります。 「左」か「右」かという二元論に惑わされず、どの政策が自分たちの未来を本当に豊かにするのか。スイスの国民投票のような「冷静な判断」が、今、自分たち一人一人に求められているのだと感じます。
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